当ブログでは、法律的なことや事務所のことから、自分の身の回りのことや社会のことまで、思いついたことを書いていけたらと思います。
初回の今回は、事務所の名前についてです。
当事務所を立ち上げた当初、弁護士会から電話がかかってきて、「事務所名の由来を聞きたいのですが」と尋ねられました。
聞いてみると、弁護士の名前を事務所の名前にしていない事務所には、その理由を聞いているのだということです。
法律事務所の名前といえば、弁護士の名前をつけているところが多く、弁護士会もそれが原則だと考えているようなのですが、なぜ理由を聞く必要があるのかはよく分かりません。
当事務所の名前は「姫路あゆむ法律事務所」であり、その名前の由来は当サイトの「事務所紹介」に書かせていただいている通りです。
事務所名を考えていたとき、自分の名前をつけることも勿論考えたのですが、あえて自分の名前をつけなかったのには理由があります。
私の名前は「吉谷」ですが、この名前を初見で正しく読むことができる人がなかなかいないのです。
私の人生経験を振り返っても、体感的に2分の1にも満たない印象です。
正しく読めないと言っても、「よしや」とかならまだ分かるのですが、3分の1程度は「ふるたに」と読み、2割程度は「ふるや」と読みます。
病院で問診票を書くときに「よしたに」とふりがなを振っていても、平気で「ふるたに」と呼ばれたりするので、基本的に「ふるたに」と呼ばれるものと思って身構えていて、たまに「よしたにさん」と呼ばれるとびっくりしたりします。
名前が呼ばれるのを聞くときだけ気をつけていればいいというものではないということを、齢四十そこそこにして思い知る経験をしました。
久しぶりにスーツを新調しようということで、店に出かけたときのことです。
スーツや服装にはさほどこだわりのない私ですが、いったん選び始めるとあれこれ迷うという面倒くさいタチで、この日も色々と試着して粘った結果、ひとつのスーツに辿り着いて満足していました。
そして、店員さんから、スーツの裏地に刺繍で入れる名前を聞かれたので、いつものように「吉谷」と書いた紙を渡して、店を後にしました。
そして1週間後、それなりに期待に胸を膨らませながら店に行ってみると、この間の店員さんが出てきて、「このスーツですね」と中身を確認しました。
そして、「名前の刺繍もご確認ください」と言って中を開いたところで、店員さんも私も「あ」と思わず声に出して見つめ合ってしまいました。
お察しの通り、そこには「古谷」と立派に刺繍されたスーツが出来上がっていたのでした。
そのようなわけで、事務所名を正しく読んでもらえないのは、事務所としてはマイナスなので、自分の名前を事務所名にするのを思いとどまったのでした。
私の名は「よしたに」ですので、よろしくお願いします。
「ふるたに」と呼んだ事件の相手方とは、示談や和解に応じませんので、悪しからずご了承ください(?)。